プロジェクトマネージャがコストを考えるための原価計算的思考

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▼1▲ 原価の分類 (6)間接経費~その1~
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■ いよいよ製造原価に関する6つの分類も最後の項目になりました。
間接経費です。

間接経費については、2回に分けてお話していきます。
1回目は間接経費の具体例、2回目は分類を間違いやすい間接経費という
かたちで内容につき触れていく予定です。

さて、今回は間接経費の具体例です。
前にもお話したとおり、経費自体は材料費・労務費以外のものという消極的な定義によるものでしたので、工場でかかったあらゆる原価のうち、材料費・労務費以外のものは、すべて経費として分類されてしまいます。前回のようにある程度直接経費は分類できるのですが、間接経費になりますとかなりの数に及びます。


ですから、試験で出題されるような一般的な間接経費の羅列というかたちで今回は確認させていただければと思います。内容自体は皆さんにも言葉でイメージがつきやすいものです。

1. 光熱費…
   電気代・ガス代・水道代
2. 固定資産に関する費用…
   減価償却費(固定資産の価値の減少分の費用計上額)・賃貸料・保険料
  ・修繕料・租税公課(固定資産税の支払)
3. その他…
   旅費交通費・通信費(通信手段にかかった費用)・雑費

経費といえば、イメージとしては「必要経費」と同じように考えて下さい。ですから、皆さんが生活する上でかかる費用は経費として扱われているんだなというイメージをつかんでいただければよろしいかと思います。

しかし、上記の例では間接経費の中で特にまぎらわしいものについては、まだお話しておりません。科目は3つ「棚卸減耗費」「(従業員)厚生費」「福利施設負担額」です。この科目は間接材料費や間接労務費と間違いやすいところですので、次回この分類についてのみスポットをあててお話していきます。

分類も次回で最終回です。もう少しお付き合いください。