プロジェクトマネージャがコストを考えるための原価計算的思考

▼1▲ 原価の分類 (1)直接材料費
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■ さて、表題から少し難しい言葉が出てきておりますが、今回は今まで出てきた原価の分類方法2種類のまとめを少しお話した後、表題にもある直接材料費の具体例についてふれていきたいと思います。

まず、焼鳥の具体例に入る前に原価の分類についてもう少しお話します。
前回までのまとめです。

前回までで皆さんは2つの分類方法に学びました。

<製品との関連における分類>
どの製品に使ったのかが明確にわかるもの(製造直接費)と明確にわからず共通して使用するもの(製造間接費)とに分類する方法。

<形態別分類>
どのような形で原価が使われたかにより、もの(材料費)、ヒト(労務費)、それ以外(経費)とに分ける方法。

さて、企業では、上記2つの分類を組み合わせで考えていきます。例えば、もの(材料)を使った場合にどの製品に使ったかわかるものもあれば、わからない(共通して使った)ものもあるでしょう。焼鳥でいえば、レバーの肉はレバーという製品に使った材料ですから、どの製品に使ったかがわかる材料費であるということになります。
材料費のうちどの製品に使ったかかがわかるものは「材料費」の前に「直接」をつけて「直接材料費」といいます。どの製品に使ったかがわからなければ「材料費」の前に「間接」とつけて「間接材料費」と呼びます。

これを人件費(労務費)や経費にあてはめれば、「直接労務費」、「間接労務費」、「直接経費」、「間接経費」という6つの分類をすることができるわけです。

突然難しい言葉が出てきましたが、これも具体例にあてはめていけば、内容としてはイメージはできると思います。今回から、少しづつですが、「直接材料費」、「間接材料費」、「直接労務費」、「間接労務費」、「直接経費」、「間接経費」の具体例についてお話していきます。

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本日は「直接材料費」です。5文字で書かれると難しいのですが、平たく言えば、「材料(もの)のうちどの製品に使ったかが明確にわかるもの」となると思います。では具体的なものとしては、どのようなものがあるのでしょう。
当たり前になってきましたが、焼鳥で考えてみましょう。

まず、一番イメージしやすいのは鶏肉だと思います。先ほども出てきましたが、レバーの肉はレバーという焼鳥(製品)に使ったことがわかりますし、皮は皮という焼鳥(製品)に使った材料であるということがわかるわけです。レバーの肉と皮の原価が違えば、それぞれの製品ごとに個別に集計した(これを賦課といいましたね)方が正確な計算を行うことができるわけです。
焼鳥の例でイメージはついたと思いますが、これを一般的には何と呼ぶでしょう?簡単に言えばメインの材料ということで「主要材料費」と呼ばれるのが一般的です。

ですから「主要材料費」と出てきたら「直接材料費」として分類することになります。

「直接材料費」としてあげられるのがもう一つあります。焼鳥で言えば串の部分にあたります。えっ、串?と思った方は、今度焼鳥を食べた時に串をよ~く見てみて下さい。
串って、製品ごとに形がちがったりするんです。つくねは丸い串であったり、皮は三角の串であったり…(チェーン店とかだと同じかもしれません。その場合はごめんなさい)。ということは、串も鶏肉と同じでどの製品に使ったかがわかる材料(もの)ということになりますので直接材料費として位置づけられます。

 ただ、これも串はあくまで、焼鳥のお話なので一般的な名前が必要ですが、串も部品の一つであるということで「買入部品費」といわれるのが一般的です。ですから「買入部品費」と試験に出てきたら「直接材料費」として分類することになります。

まとめ…企業で主要材料費とされるものは一般的には主に2つです。
「主要材料費」「買入部品費」

次回は間接材料費をの具体例をお話します。もちろん焼鳥も登場です。<続く>