プロジェクトマネージャがコストを考えるための原価計算的思考


▼1▲ 原価の分類 (2)間接材料費
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■ 原価の分類ということで、前回は直接材料費にどのようなものがあるかについてお話を進めてきました。

今回は間接材料費の具体例についてお話していきたいと思います。

間接材料費を平たく言えば「どの製品に個別に使ったかが明確でない(共通して使った)モノの消費額」ということになると思います。

それでは、具体的にはどういうものをイメージするでしょうか? 焼鳥で考えて見ましょう。思い浮かびますか?

やはり、イメージがつきやすいのは、「炭」「タレ」といったものでしょうか。
「タレ」と聞くとイメージつきにくいという方もいらっしゃるかもしれませんが、
モノというのは固体だけとは限りません。液体も含まれます。ですから、塗料で
あるとか、機械油といったものも企業では材料費として分類されます。

さて、「炭」「タレ」はどの製品にも共通的に使用(補助的に使用)しています。
レバーの焼鳥にも皮の焼鳥にも同じタレを使うでしょう。
ですから、タレや炭をどの製品にどれだけ使ったかは明確にわからず、間接材料
費として分類されることになります。

今の内容は焼鳥であてはめた場合ですので、一般的な費目の名称にあてはめてみ
たいと思いますが、一般的には、補助的に使用する材料であっても、受払記録を
つける必要があるほど重要度が高いものは「補助材料費」、重要度が低いものに ついては「工場消耗品費」と名前を変えます。


例えば上記の炭で言えば、どこでも売っているような炭(1本150円)については、
「1本、2本なくなってもいいかな」という気持ちで管理も甘くなるかもしれま
せんが、高級備長炭(1本5,000円)については1本無くなっても大問題ということ
で別倉庫に保管して厳重に管理するかもしれません。この場合、一般の炭が「工 場消耗品費」、高級備長炭が「補助材料費」として分類されることになります。
性質は同じでも重要度により名称が変わることに注意してください。

また、これとは別に間接材料費として分類されるものに、「消耗工具器具備品費」 があります。これは、焼鳥などの製品の一部となるという性格のものではなく、そもそも、スパナやドライバーなど工具や器具を使った(消費した)場合に、「工具 や器具もモノを使ったということで材料費に分類しよう」と少しこじつけ的な理由で材料費として扱われるものです、もちろん、製品との明確な関連付けはできませんから間接材料費として扱われます。

まとめ…企業で間接材料費とされるものは一般的には主に3つです。
「補助材料費」「工場消耗品費」「消耗工具器具備品費」

まとめ…企業で直接材料費とされるものは一般的には主に2つです。
「主要材料費」「買入部品費」

次回は直接労務費(直接工と間接工)の具体例をお話します。もちろん焼鳥も登場です。<続く>