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▼1▲ 原価の分類 個別原価計算のまとめ~その3~

■ 今回は、前々回の問題についての解説を加えていきたいと思います。
本日のメインは費目別の分類です。
今回の内容は前回、前々回と結びついておりますので、前々回からの内容
を参照いただき、今回の内容を確認いただければと思います。

まず、費目別の分類をまとめると以下のようになります。

1. 主要材料費110,000円(甲製品60,000円、乙製品50,000円)←直接材料費
2. 買入部品費15,000円(甲製品9,000円、乙製品6,000円)←直接材料費
3. 補助材料費7,500円←間接材料費
4. 直接工賃金消費額
   直接作業時間分80,000円(甲製品45,000円、乙製品35,000円)←直接労務費
   間接作業時間分20,000円←間接労務費
5. 間接工賃金消費額 31,000円←間接労務費
6. 外注加工賃29,000円(甲製品20,000円、乙製品9,000円)←直接経費
7. 減価償却費6,500円←間接経費
8. 水道光熱費10,000円←間接経費
9. 法定福利費 8,000円←間接労務費
10. 福利施設負担額 5,000円←間接経費

少しコメントしますと、どの製品に消費したかが資料でわかるものが、直接費です。
各製品の消費額が資料からわからないものが間接費となります。
また、法定福利費は間接労務費です。注意してください。

この時点で製造直接費を各製品に賦課した原価計算表を作成すると以下のように
なります。

原価計算表

         製品甲         製品乙

直接材料費    69,000         56,000
直接労務費    45,000         35,000
直接経費     20,000          9,000
製造間接費     ?           ?
 合計       ?           ?

あとは製造間接費の配賦です。まず、製造間接費及びその内訳(間接材料費、間接労務費、
間接経費)の発生額を集計すると以下のようになります。

間接材料費:7,500
間接労務費:20,000+31,000+8,000=59,000
間接経費:6,500+10,000+5,000=21,500
製造間接費合計:7,500+59,000+21,500=88,000

この製造間接費を各製品に使った直接作業時間により配賦計算します。
配賦とは、配賦基準に比例して製造間接費は発生しているだろうとの仮定に基づき
各製品への配分額を決定することです。

甲製品45時間、乙製品35時間、合計80時間の直接作業が行われており、製造間接費は
88,000円ですから、1時間あたりの製造間接費は88,000÷80=1,100円と求まります。
(これを配賦率といいます)
甲製品:45時間×1,100円=49,500円
乙製品:35時間×1,100円=38,500円

以上で製造間接費の配分計算が終了しましたので、もう一度原価計算表を作成して、各製品
の製造原価を算定しましょう。
原価計算表

         製品甲         製品乙

直接材料費    69,000         56,000
直接労務費    45,000         35,000
直接経費     20,000          9,000
製造間接費    49,500         38,500
 合計      183,500         138,500

よって、甲製品の完成品原価183,500円、乙製品の完成品原価138,500円
と求まるわけです。