プロジェクトマネージャがコストを考えるための原価計算的思考

▼1▲ 原価の分類 (5)直接経費
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■ 原価の分類ももうすぐ終わりです。
今回から経費について見ていきます。まずは直接経費です。

ただ、経費の定義って覚えてますか?「モノ(材料費)、ヒト(労務費)、それ以外
(経費)」つまり、経費は消極的な意義付けがされているんですね。
ですから、経費については、材料費、労務費のように限定してこれのみです、と
いうことができません。すべて挙げようとすると100種類くらい挙がるかもしれ
ません。直接経費はある程度限定は付けられるのですが、間接経費については重要な一部のご紹介となることを予めご了承ください。

さて、今回は直接経費です。直接経費を簡単に定義すれば「どの製品に使ったのかが明確にわかる材料費、労務費以外のものである」ということができるでしょう。
ただ、経費というのは光熱費や減価償却費などをイメージいただければわかると思いますが、工場全体で共通してかかっている(間接費)のがほとんどなので、その製品のみに特定できるというものがあまりないのです。

では、どういうものがあるのかと言えば、特定の製品のみに使った加工賃や特定の 製品のみに使った特許権の使用料などがあげられると思います。

例えば、焼鳥で言えば、焼鳥を個別包装して持ち帰りやすくした製品を作ったとします。しかし、焼鳥屋には真空パックさせるような機械などはもちろんなく、
外部に委託して焼鳥を真空パックしてもらう(つまり加工してもらう)ことをします。
その時の加工代金を「外注加工賃」といいますが、では、真空パックの焼鳥も他の焼鳥と同じように店先に並べたとき、外注加工賃はどの製品に使ったかわかりますか?
わかりますよね。真空パックの焼鳥のみに使った原価です。ですから、外注加工賃は直接経費として真空パック焼鳥の製造原価のみに含めてあげます。

同じように、少し特許権とは正確に言うと違いますが、例えばこういう例を考えてみましょう。通常の焼鳥とは別に、「料理の鉄人○○さんお勧め焼鳥」みたいなものを販売したとします。ただ、販売するためには、その人の名前を借りるわけですから、使用料ということでお金を払うはずですよね。

その時の使用料を「特許権使用料」といいますが、では、料理の鉄人○○さんお勧め焼鳥も他の焼鳥と同じように店先に並べたとき、特許権使用料はどの製品に使ったかわかりますか?

料理の鉄人○○さんお勧め焼鳥のみに使った原価です。ですから、
特許権使用料は直接経費として料理の鉄人○○さんお勧め焼鳥の製造原価のみに含めてあげます。

まとめ 

一般的に直接経費で出題・分類されるのは以下の2つです。
「外注加工賃」「特許権使用料」

では、次回は間接経費について見ていきましょう。お楽しみに!