プロジェクトマネージャがコストを考えるための原価計算的思考

▼1▲ 原価の分類 (7)間接経費~その2~
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■ 前回から間接経費の分類に入りましたが、今日は間接労務費や間接材料費と間違えやすい間接経費についてお話したいと思います。

1. 間接材料費と間違えやすい間接経費

これは、材料の棚卸減耗費と呼ばれるものです。直接材料の主要材料については、帳簿などを用いて在庫管理をしていることが多いです。その結果、帳簿上月末に残っているはずの数量・金額を算定することができます(これを帳簿棚卸高といいます)

しかし、実際に残っている材料の数量を調べてみたら(実地棚卸)、帳簿であるはずの材料が残っていないのが通常です。


例えば、かなり無理がありますが鶏肉を帳簿上管理しているとして、月末に100kg残っているはずなのに、実際に残っている数量を調べてみたら95kgしか残っていない。


企業からすると、理由もわからず材料が5kg減って損したということになり、この損した金額を材料棚卸減耗費として計上します。ただ、この棚卸減耗費は間接経費として扱われるのです。


材料が無くなっているから材料費なんじゃないの?と思う方もいらっしゃる方もいると思いますが、材料費というのはあくまで、「製品の製造のために」材料を消費した場合です。棚卸減耗の原因は、通常、蒸発や盗難など、製品の製造によりなくなった部分とは考えられず、ある程度の発生は仕方がないだろうということで間接経費として処理されるのです。

2. 間接労務費と間違えやすい間接経費
これには、福利施設負担額・厚生費があります。特に福利施設負担額については注意が必要です。以前間接労務費のところで「法定福利費」が出てきたの覚えていますか?そうなんです。「福利」という言葉がどちらにもついているのに、片方は間接経費、片方は間接労務費として扱われてしまうのです

それでは、違いは何でしょうか?ポイントは1点、法律などで金額が決まっているかいないかです。法定福利費は法律によって会社負担分が決まっていますから、どの企業にも人件費として計上しても、明確な基準により計上されていますから企業同士を比較する際にも問題はありません。

しかし、厚生費や福利施設負担額は、会社で旅行に行くなどは企業の自由裁量になりますので、社会的に一般的なルールがないのです。そのようなものを重要な
人件費である労務費としてあらわすのはどうかということで、労務費ではなく経費として扱うことになったのです。

長々お話しましたが、今回のまとめは「棚卸減耗費、厚生費、福利施設負担額は間接経費である」ということをおさえておきましょう。

やっと長かった分類が終わりました。次回は個別原価計算のまとめをもう一度確認していきたいと思います。長々お疲れ様でした☆