プロジェクトマネージャがコストを考えるための原価計算的思考2

▼1▲ 個別原価計算~その2~

さて、前回に引き続き、個別原価計算についてのお話をしていきたいと思います。
早速ですが、前回の例題を使って見ていきましょう。

さて、焼鳥屋では今2つの焼鳥(製品)を作っています。

一つは、皮。もう一つは名古屋コーチンの高級地鶏(もも肉)で作った焼鳥です。
その時かかった原価(製品製造のためにかかった費用)はというと、
皮用の肉 50円/1本 、 名古屋コーチンの高級地鶏(もも肉) 350円/1本
皮用の串 10円/1本 、 名古屋コーチン用の高級串       70円/1本
タレ(両方 共通)Total 40円


2本にかかったTotalの原価合計は、50+350+10+70+40=520円です。


前回、この520円を2で割っても、それぞれの焼鳥の製品原価は正しくあらわされないため、分類というものをしてグループごとに分ける必要があるというところまでお話したと思います。


では、どのようにグループごとにわけていけばよいのでしょうか。
一言で言えば「どの製品に使ったかが明確にわかるものと、どの製品に使ったかが明確にわからないもの(共通して使ったもの)に分ける」ということになります。


つまり、上記の例で言えば、皮の焼鳥、高級地鶏の焼鳥に使ったとわかる費用と、わからない費用とに分けるということをします。肉と串については、価格の違う別々のものを使っていますから、それぞれ、皮の焼鳥にかかった費用、高級地鶏の焼鳥にかかった費用としてどの焼鳥にいくらかかったかが計算できるでしょう。これに対して、タレは共通してかかってますから、どの焼鳥にいくらかかったかは明確に計算できません。

そこで、タレに関しては、会社の資料から、もっとも合理的な配分基準を選び、
各製品に分けるということをします。今回は一番単純な、2本で40円なら、1本20円でという割り勘による計算で配分したいと思います。


その結果
皮を作るのにかかった原価 50円+10円+20円=80円
高級地鶏を作るのにかかった原価 350円+70円+20円=420円
と計算した方が正しい製品原価の金額を導き出すことができるのではないでしょうか。

個別原価計算の流れとしては、
1.どの製品に使ったかが明確にわかるものと、どの製品に使ったかが明確にわからないもの(共通して使ったもの)に分けて、どの製品に使ったかわかるものは、その個別製品ごとに集計してあげよう。


2.どの製品に使ったかわからないものは、明確な配分基準を使って各製品に配分しよう。


この二つの手続きが大まかな、個別原価計算の流れとなります。

いよいよ次回専門的な言葉を使って
個別原価計算の流れを確認していきましょう!