プロジェクトマネージャがコストを考えるための原価計算的思考


▼1▲ 個別原価計算~その3~
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■ 今回で個別原価計算(原価を計算する)というお話は終わりにしたいと思います。
前回までのまとめをしながら、原価計算の言葉であてはめて説明をしていきます。

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これは、前回の復習になりますが、焼鳥の例を通しての個別原価計算の流れを簡単にまとめれば、

1.どの製品に使ったかが明確にわかるものと、どの製品に使ったかが明確にわからないもの(共通して使ったもの)に分けて、どの製品に使ったかわかるものは、その個別製品ごとに集計してあげよう。


2.どの製品に使ったかわからないものは、明確な配分基準を使って各製品に配分しよう。

ということになります。

原価計算では、上記の流れを専門用語を使ってあらわしていくのが一般的です。
今回まとめということで4つの言葉をおさえましょう。「製造直接費」「製造間接費」「賦課」「配賦」です。

製造原価のうち、
どの製品に使ったものかが明確にわかるもの…製造直接費
どの製品に使ったかが明確にわからないもの(共通して使ったもの)…製造間接費

前回の例題で言えば、鶏肉や串は製造直接費といわれ、タレは製造間接費と言われます。製造直接費は使った製品ごとに原価をダイレクトに計上してあげる、製造直接費 は共通してかかっていますから、適切な配分基準を使い各製品にわける必要があります。

この分類をすることにより製品原価が正しく計算されるというのは前回にお話し
たとおりです。この分類を一般的に製品との関連による分類といいます。

そして、このダイレクトに製品原価に集計する計算方法と、共通にかかっているため適切な配分基準をつかって各製品に配分する計算方法にも名前がついています。

ダイレクトに製品原価に集計する計算方法…賦課

適切な配分基準をつかって各製品に配分する計算方法…配賦

〔まとめ〕
個別原価計算の原価計算の手続きを原価計算の専門用語を用いてあらわしましょう

1. 製造原価を製造直接費と製造間接費に分類する。
2. 製造直接費は各製品に賦課する。
3. 製造間接費は適切な配賦基準を用いて各製品に配賦する。

この文章を第1回からお話している焼鳥の計算の流れをあてはめてイメージできますか?
イメージできたら、皆さんは上記の専門用語を使いこなせていることを意味します。

原価計算の専門書は、最初に専門用語からスタートする傾向にあるため、最初に上記のまとめの1. 2. 3. が書いてあるとさすがに面食らってしまうのです。

原価計算を理解するためにはやはりイメージが重要だと思います。難しい専門用語を自分の中にある出来事にあてはめイメージできるようにする。

今後もイメージを付けることができればと思い、これからも具体例を交えてお話してきます。

次回も個別原価計算の続きと言えば続きなのですが、少し違う側面から見てみましょう。
財務諸表の作成です。その場合に出てくるのが、皆さんもご存知の形態別分類と言われるものですね。また、次回お会いしましょう。